第77回 究極の理論は存在する
しばしば、「物理の世界において究極の理論は存在しない」と言われることがある。
しかし、本当に「究極の理論(法則)」は存在しないのだろうか?
まず、「究極の理論」が存在しないと仮定する。
すると、「究極の理論が存在しないという法則(理論)」が存在することになる。
「究極の理論が存在しないという法則(理論)」が、すべてを網羅していないのならば、ある分野について究極の理論があることになり、最初の仮定に矛盾する。
「究極の理論が存在しないという法則(理論)」が、すべてを網羅しているのならば、「究極の理論が存在しないという法則(理論)」自身が究極の理論だと言うことになり、最初の仮定に矛盾する。
このように、究極の理論が存在しないと仮定すると矛盾が生じることが分かった。
従って、究極の理論は存在する。
ただし、「究極の理論は存在する」ということは証明できるが、それが具体的にどんなものなのかは証明できない。
可能な不在証明は存在する
「存在しないことを証明するのは難しい」と言われ、しばしば「悪魔の証明」と言われることがある。
しかし、どんな場合でも「存在しないことを証明する」ということが不可能なわけではないと言うことも証明できる。
「存在しないことを証明する」ということがいかなる場合も不可能であると仮定する。
すると、「存在しないと証明できるような事例は存在しない」ということになり、
これ自身が「存在しないと証明できるような事例」となり、最初の仮定に矛盾する。
「存在しないことを証明する」ということがいかなる場合も不可能であると仮定すると矛盾が生じることが分かった。
従って、「存在しないと証明できる事例」は存在する。