第89回 こんなにヘンだぞ! 山本弘の「こんなにヘンだぞ! 『空想科学読本』」
山本弘氏の「こんなにヘンだぞ! 『空想科学読本』」は、「空想科学読本」に対する批判書だが、この中にも重大な間違いらしいものがある。
■猿の惑星
確かに、地球が猿の惑星になったのは核戦争が原因であると映画の中で明言されている。
しかし、核戦争だけが原因だとは言われていない。
しかも、夜になっても暗くならないと言うことは、自転が止まっていることに他ならない。映画の中での、猿の長老の発言にも一致する。
やはり、人類が自転を止めたという、柳田氏の解釈は、間違っていなかったのだ。
■ターミネーター2
山本氏は、「柳田氏が映画の中に出てこない設定をでっち上げている」と主張するが、果たしてその主張の筋が通っているのだろうか。
「Ｔ1000は10万分の1mmのコンピュータで構成されている」という主張は、T1000の動きを合理的に説明するための「仮説」である。
「空想科学読本」においては、映画中の現象を合理的に説明するための「仮説」がされることは普通である。なぜそれを今更になって批判するのか。
「どうしてそんな小さなコンピュータが作れるのか」と山本氏は批判するが、柳田氏は「T1000の動きは、Ｔ1000が10万分の1mmのコンピュータで構成されているとでも仮定しなければ説明がつかない」ということを言っているにすぎない。