第100回　トリックの山田奈緒子は超怪力だった

最近、また「トリック劇場版」を見たのだが、山田奈緒子は超怪力だったことが判明した。

それが判明したのは、同作品の最後。
糸節村の「300年に一度起こるという災い」が、地下水によるものであると判明した場面である。
地下水の湧口には石でできた巨大な「亀」で蓋がされており、地下水には高い圧力がかかっているように見えた。
山田奈緒子と上田次郎は、その亀を動かして水を放出させることを思いつき、それで山火事まで消してしまったのだ。

これがどれほど凄いことなのか、検証してみよう。

■力はどのくらいか

話を単純にするため、水は水平から 45°で発射されたものと仮定する。

水平から 45°で発射された物体が、距離 D まで届くとすると、その速度は


湧口の断面積を S とすると、流量 = 断面積×流速 だから、「体積流量」は
S

水の密度をρとすると、「質量流量」は、
ρS

従って、時間 t の間に流れる水の質量は、
ρSt

運動量は、質量×速度 より、
ρStDg

力は、運動量を時間で割れば、
ρSDg

湧口における圧力は、断面積で割って、
ρDg

また、亀の質量 M は、水による力に対抗できればいいので、
Mg＞ρSDg　したがって　M＞ρSD

ここで、条件を代入しよう。
亀から、山火事の現場までの距離 D = 1km 、湧口の断面積 S = 0.2m² とすると、計算結果は

流速 99 m/s
流量 20 m³/s
圧力 9.8×10⁶ Pa
亀の質量 少なくとも 2×10⁵ kg 以上

従って、てこの原理で発揮すべき力が10分の1に軽減されたとしても、山田＆上田で合計20t程度の力を出したことになる。

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