第115回　さらば青春の光のぼったくりバー

2012年1月29日放送された「ABCお笑いグランプリ」。
「さらば青春の光」のコント「ぼったくりバー」が面白かった。
なんと、請求された金額が「200那由他円」!! 天文学的数字もいいところである。
ところで、この金額は、一体どれくらい凄いのか。検証してみよう。

200那由他とは、2×10⁶² である。63桁という数字はとても想像できたものではないだろう。
200那由他円は、1万円札で 2×10⁵⁸ 枚 である。だが、やはり数字が大きすぎていまいち想像がつかない。

2012年1月31日における日本の借金は 8.9×10¹⁴ 円である。
200那由他円は、それを48桁上回る。

(見やすいように3桁ごとに半角スペース、12桁ごとに全角スペースを入れた)

では、縦方向に積み上げるといかほどになるのか。
1億円(1万円札1万枚)を積み上げると、その高さは 1m となる。
ゆえに、200那由他円は積み上げると 2×10⁵⁰ m、つまり 2.1×10³⁴ 光年 となる。
光年という単位を使っても、大きすぎてわけが分からない。
なにしろ、この長さは、観測可能な宇宙の半径 (4.4×10²⁶ m) の 4.5×10²³ 倍 なのだ。
宇宙の大きさと比べるにも大きすぎる。

質量で比較してみよう。
1億円の質量は、およそ 10 kg である。
すると、200那由他円は、2×10⁵⁵ kg である。地球の質量は 6.0×10²⁴ kg であるから、やはり大きすぎてわけが分からない。

ろくに比較できるものはないのか…と考えてみたところ、発見。
それは、ドラえもんの道具、「フエール銀行」である。
1時間に1割の利子が付くという、驚異的なあの銀行である。

では、10円を預けて、それが200那由他円になるのにかかる時間を計算してみよう。

フエール銀行に預けた預金は1時間で1.1倍になるので、t時間後に200那由他円になるとすると、

10 × 1.1^t = 2 × 10⁶²

両辺、常用対数をとった後に整理すると、

よって、1481時間後、つまり 61日と17時間で200那由他円を超える。

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