天空の城ラピュタの幻のエンディングの真相
「ラピュタのエンディングには別パターンがあるのではないか?」という都市伝説がある。
初めてテレビ放映された時、映画公開時には無かった「別のエンディングシーン」が流れたという噂が一時広まった。
その中には、
などというもの。ジブリ側は公式に否定している。
「実際に見た」という「目撃証言」がとても多いのだが、はっきりした証拠映像が無いのも事実。
白黒静止画の「証拠写真」もあるようだが、静止画だと合成などの偽の証拠である可能性もあるから信憑性は低い。
にもかかわらず、「目撃証言」がこれほどたくさんあるのはなぜだろうか。
小説版『天空の城ラピュタ』や『未来少年コナン』に類似したシーンがあることから混同した、という説もある。
しかし、「ラピュタのエンディングではっきりと見た」という証言が多いのも事実。
こういった噂が立つようになったのは、インターネットが普及した2000年代以降である。
ここのサイトにも書かれているように、わざわざTV局が別パターンをつくるとは考えにくい。
いったいなぜだろうか。
最後の方で、パズーが「ゴンドアへ送っていってあげる」とシータにいう場面がある。
これが噂の元凶とも考えられる。
そして、もう一つ。
実は、中盤の回想シーンにシータの家が登場する。ここには、確かに暖炉も登場している。
「実際に見た」という「目撃証言」と似ているシーンは、エンディングではなく、本編の最初〜中盤に登場している。
筆者は、「天空の城ラピュタ」を何回も見たことがあるM氏に、
「別のエンディングが登場するのではないかという都市伝説がある。その中には、パズーがシータを家まで送るシーンがあったという噂がある。」ということを話してみた。するとM氏は、
「えっ? 送っていかなかったっけ? たしかシータの家は牧場で、暖炉があったと思う。」と言った。
筆者は、エンディングは木だけになったラピュタが天に昇っていくだけで、そんなシーンはなかったと言うことを話した。
また、牧場や暖炉は回想シーンに登場し、最後はパズーが「ゴンドアへ送っていってあげる」とシータにいうだけだということも話すと、「確かにそうだった」とM氏は納得した。
このことから考えられること。
パズーが「ゴンドアへ送っていってあげる」とシータにいう場面と、回想シーンに出てくる「シータの家の様子」が一緒くたになってしまい、あたかも別エンディングがあったかのように勘違いしてしまったのではないか。
人間の記憶というものはとても曖昧だ。
パズーが「ゴンドアへ送っていってあげる」というシーンのあとに、回想シーンに出てくる「シータの家の様子」があったかのように勘違いしてしまう。すると、話がつながってしまったかのように感じる。
この都市伝説の正体がついに分かった。
また、こう考えると、目撃情報にも辻褄が合う。ここのサイトでもその可能性が示唆されている。