第三回　ジャイアンは音痴なのか?　改訂版 - 2008年11月7日修正・改訂

※証明の意味が分からない人、異論、質問等のある人はFAQ、解説をご覧ください。
FAQを見ても分からない人は、掲示板(専用のスレ)で質問してください。

ジャイアンは音痴か、と言うと、ほとんどの人が｢当然｣と答えると思う。
しかし、当方での調査によれば、ジャイアンは音痴ではない可能性が高まってきた。

てんとう虫コミックス8巻には、｢声のキャンデー｣と言うドラえもんの道具が登場し、ジャイアンがなめている。

Wikipediaによれば…

ということである。
ずばり、音痴を直す薬ではない。(もしもジャイアンが音痴だったら、キャンデーをなめても音痴のままである)
従って、ジャイアンは音痴ではない、と考えるのが自然である。

ではなぜジャイアンの声がひどいのか、と言う疑問に突き当たる。

しかし、音痴でないならばジャイアンは声(音質)が悪いと考えるのが自然である。
そして、ジャイアンの歌声で蝉が落ちたり窓ガラスが割れたりする原因は低周波音と考えられる。

早い話が、ジャイアンは声が悪いだけってことです

しかし、これでは未解決の問題がある。
それは、なぜもしもボックスで作った｢音のない世界｣で紙上でリサイタルを行ってものび太たちが吐き気を訴えたことだ。

しかし、これに関しては比較的簡単に解決できる。

現実世界において、ジャイアンの歌はのび太たちにとって恐ろしい
　↓
もしもボックスで｢音のない世界｣に変えても、｢ジャイアンの歌は恐ろしい｣ということは変わらない
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もしもボックスによって、｢ジャイアンの歌は恐ろしい｣ということが保存されたままの｢音のない世界｣になった。
　↓
音がなくてもジャイアンの歌が恐ろしいままになっている。

参考1:なぜこの証明が成り立つのか『音痴の定義と、曖昧さの問題』

先の証明は、｢そもそも音痴の定義がはっきりしないのになぜ証明できるのか｣、とか｢音痴の定義が不十分だ｣というツッコミ意見が多くあった。
しかし、それでも証明できるのはなぜか。

例えば、｢大きい｣とか｢高い｣という言葉は定義が曖昧だ。
具体的には、｢富士山は高い｣という文章がその例である。
｢高い｣とは何m以上か? と問われたら答えようがない。

他にもこういった例がある。

これは｢砂山｣や｢ハゲ｣とは何かがはっきりしないから起こる問題である。

しかし、そんな曖昧な言葉を使っていても、意味がはっきりすることがある。

例えば、｢2は1より大きい｣という文章は、誰もが正しいと分かる。同じように考えれば、
｢もし、10が『大きい数』ならば、10よりも大きい数もまた『大きい数』である｣という文章も正しい。

これは三段論法に使うことができる。10が大きい数ならば、11も大きい数といえる。

歌についても同じように文章を作ると、
｢スキマスイッチが音痴でないならば、スキマスイッチよりも歌が上手い人も音痴ではない｣

スキマスイッチはまあ歌が上手い。この場合は、「『スキマスイッチ』はアニメにおいて音痴でない人物の象徴である」ということを暗黙的に表していることは分かるだろう。
先の証明は、実は｢ジャイアンの歌唱力はスキマスイッチ以上である｣ということの証明である。

この証明は、スキマスイッチは歌が上手いということが前提になっている。
だから、スキマスイッチの歌唱力を疑うなら証明は成り立たないのだ。

また、ジャイアンは音痴という設定だから音痴であるという人もいるが、
ジャイアンは便宜上音痴とされていると考えると矛盾しない。

ジャイアンの歌を聞いていてつらいので、のび太達が音痴だと言っていると考えるとよい。

ほかに、図を考えると、
ジャイアンの歌唱能力は少なくともスキマスイッチ以上なので、歌唱能力を軸上に表すとこのようになり、(下図)

　[ スキマスイッチの歌唱力(または天地真理の歌唱力) ≦ ジャイアンの歌唱力 ] …�@

そりゃ、ジャイアンも人間ですから、失敗して音を外すこともあるでしょう。しかし、歌唱能力(音感)はスキマスイッチ以上です。｢スキマスイッチが音痴だ｣というならば、この証明は成り立たないが、式�@より、ジャイアンが音痴だったとすれば、スキマスイッチも音痴であることになる。これはおかしい。

従って、スキマスイッチと天地真理の少なくとも一方が音痴でなければ、ジャイアンは音痴ではないことになる。

■「マンガの世界だから論証は成り立たないのでは?」という指摘

この指摘も非常に多い。
しかし、空想科学読本についてもいえることだが、こういったの論証は「マンガの世界でも現実世界同様の物理法則は成り立つものとする」という暗黙の前提を含んでいることを忘れてはならない。

数学的帰納法においても、n=1が明らかであり省略される場合があるが、「マンガの世界だから論証は成り立たないのでは?」という指摘は、「n=kでも成り立つと仮定する」というような「"成り立つものとする"という"仮定"」に異議を唱えているのと変わらない。

参考2:声のキャンデーの効能問題

声のキャンデーはドラえもんが出した道具であるが、「実は声のキャンデーに音痴を直す効果があるのではないか?」という意見があった。
確かに、この証明の大前提に関わる問題である。

しかし、ドラえもんが声のキャンデーを出した経緯を考えてみよう。

1. のび太がテレビでスキマスイッチが歌うのを聞き、「あんな声で歌えたらいいのに」という。
2. ドラえもんがのび太のその願いを叶えようとして、声のキャンデーを出す。
3. その後のジャイアンリサイタルでジャイアンが歌うが、そのときにキャンデーを取っておいたことを思い出したドラえもんが、ジャイアンにキャンデーをなめさせる。
4. ジャイアンがスキマスイッチの声で歌う。
5. ジャイアンが、「このキャンデーをなめるといつも以上にいい声が出た」といい、ドラえもんにもう一度キャンデーを出して欲しいと頼む。

このような経緯である。どちらかというと音感ではなく、声に焦点が当たっている。「声のキャンデー」という名前や、「声紋を分製鬼した波形が表示されている」という事実、また音感については何も言及されていないことからして音痴を直す効果がないと考えた方が自然である。(声は声帯に関する問題であるが、音感は脳の問題)
また、ドラえもんならば音痴を直す効果のあるような、別の道具を持っているだろう。

注意すべきなのは、この証明は、「声のキャンデーに音痴を直す効果がないことから→ジャイアンは元々音感はそこそこあった→ひどく聞こえるのは声が原因→低周波音であると考えると辻褄が合う」ということを示しているのであって、音痴の定義にかかわらず、音痴だと仮定すると構造的な矛盾を引き起こすことを利用した証明である。

(注)構造的な矛盾:厳密な定義が無くても、前後関係が一致しなくなるような矛盾。この場合は、「『スキマスイッチ』はアニメにおいて音痴でない人物の象徴である」ということを暗黙的に表している。

参考3:のび太やスネ夫がジャイアンを音痴だという理由

これも大きな問題である。
しかし、たとえジャイアンが歌が上手かったとしても、聞いていて苦しいならやっぱり不快以外の何者でもない。
それが音痴が原因でも、低周波音が原因でも。

たとえば、あなたがTVでひどい声の歌を聞かされたらどうだろうか。
やはり不快に思うだろう。たとえそれがリズムも音程も合っていたとしても、音痴のように聞こえてしまう。

参考4:低周波音を出すためには…

低周波音を出して建物を揺らしたり、また超音波を出してガラスを割ったりするためには、物体の固有振動数と同じ周波数の音波を出し続けることが必要である。 かつて「ザ・ベストハウス123」でも紹介されたが、音波でワイングラスを割ることは可能である。しかし、そのためには音波の揺らぎがあってはならない。音波の揺らぎを出さないためには、相当の音感や歌唱能力が必要である。「ザ・ベストハウス123」では、森公美子も実験に挑戦したが、音波の揺らぎが大きすぎてワイングラスを割ることはできなかった。窓ガラスを割るためにはさらに持続した音波を揺らぎなしに大きな声で発し続ける必要がある。(一般的なガラスの固有振動周波数は3000Hz前後。木造の建物は場合によって異なる)
実にジャイアンは、森公美子より優れた音感を持っているのである。

参考5:カラオケUGAのCM

カラオケUGAのCMは、ジャイアンが空き地でリサイタルを開くという設定だが、上手く歌っている。
やはり、あれはジャイアンが上手くなっているのではなく、マイクに原因がある。
きっと、UGAのマイクは低周波音や超音波を取り除く機能があるのだろう。

2007年8月14日、yahoo知恵袋で証明が正しいか質問しました。
解答を参考にさせていただき、8月17日に証明を訂正しました。

｢声のキャンデー｣をなめると声が良くなったので、声のキャンデーはジャイアンの音痴をなおしたことになる。
　↓
｢声のキャンデー｣をなめるとジャイアンが上手に歌うことができ、観衆がジャイアンの歌に聞き惚れたので、声のキャンデーはジャイアンの音痴を治したことになる。

∴音感は、「スキマスイッチ,天地真理≦ジャイアン」

pyaにも投稿したのですが、なかなか理解されるものではありません。
論文に関する質問はこちらへ。

第六回へ続く

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